番犬男子








それなりの距離を歩いた頃。





「ここが、双雷のたまり場です」



ついに到着した。


洋館に。

“彼”のいる場所に。



目の前にそびえ立つ、大きな洋館。


想像とはかけ離れた、幽霊でも出そうなくらい少し古びている外装だった。




ここに、“彼”がいる。


今度こそ、会える。


絶対に。



なんの証拠もないのに、なぜか、そう確信した。




2人に誘導されて、ゴージャスに装飾された扉の前に立った。


遊馬がドアノブに手をかける。



「開けるぞ」



その一言を合図に、扉が開かれていった。