教室へ入った瞬間、龍を睨み付けたのが分かった。


「ちょっと、話しがあるんだけど」


龍の机の前に立ちそう言うカナ。


「丁度よかった。俺も話があったんだよ」


龍がそう言い、勢いよく立ち上がる。


椅子が後方に倒れて大きな音が響き渡った。


他のクラスメートから視線を浴びているのに、2人は気が付かない。


「あんた浮気してたって本当?」


「はぁ? それはお前の方だろうが!」


「なに言ってんの? バカなんじゃない!?」


2人の声はどんどん大きくなっていく。


クラスメートたちは2人から距離を置いて様子を眺めはじめた。


まだ普段の喧嘩だと思っているようだ。


けれど2人の暴言は止まらない。