「バイトしてるんでしょ?」


「してるけど。コンビニだから毎週新商品が出て、欲しいから買っちゃうんだもん」


そんなサヤの言葉に友人は呆れ顔だ。


「少しは我慢しなよ」


友人の言葉にサヤは黙り込んでしまった。


また雑誌に釘づけになっている。


間違いない。


サヤは強欲だ。


バイトを始めたせいか、前よりも強欲さが激しくなっているようにも見えた。


そうこうしている間に生徒たちが登校して来て、琴はすぐに菓子パンを袋を開けた。


灰色のモヤを立ち上らせながら食べている。


秀太は女子生徒たちと一緒に登校して来て、昨日と同様に鼻の下を伸ばしている。


美桜と未来は相変わらず花をイジメていて、カップルの龍とカナはまた喧嘩を始めている。


教室内があっという間に灰色に包み込まれて行く。


ここにサヤの強欲を刺激したらどうなるだろう?


もっとたくさんのモヤに包み込まれた教室内を想像して、あたしはニヤリと笑ったのだった。