サクがそう言って、暴食の隣に小島琴と書いた。


「色欲は? 誰だろう?」


学校生活で色欲を見せている生徒なんて滅多にいない。


ただ、異性の友達が多いとか口がうまいとか、その程度の話ししか聞いたことがなかった。


けれどサクは迷いがなかった。


「これは簡単だろ」


そう言って松浦秀太(マツウラ シュウタ)と書いた。


その名前にあたしは目を見開いた。


秀太は学年1のイケメンで女子生徒から人気がある。


けれど誰にでも手を出すようなことはなく、ちゃんと1人に決めて付き合っていた。


だからこそ人気も高い生徒なのだ。


「冗談でしょ?」


そう言うと、サクが笑った。


「なんだよ、姉貴も秀太のことが好きだったのか?」