「カメラ貸すから、芹奈も撮らない?」

「え、いいの?」

「もちろん」




私は芸術とか分からないから、写真だって全然撮ったことないんだけど。


だけど、魔法みたいにキラキラなあの秋樹の写真が生まれる瞬間を、見てみたくて。



終了式だけだから、お昼前に終わった学校の中をふたりで並んで歩いた。





「芹奈、ちょっとモデルやってよ」


「え、わ、私が…?」


「後ろ姿だけでいいんだけど…だめ?」




そんな風に首を傾げられたら、断れるわけない。

しかも、秋樹のキラキラの写真の中に入れるなんて、嬉しい。