それは今年の、夏休み前日。


3ばかりの微妙な成績表と、第一志望の判定がDの模試の結果を受け取って。


「受験生に夏休みなんてないんだから、しっかり勉強するんだぞ」

なんていう厳しい先生の言葉にしょんぼりして。



少し遠くの席にいる秋樹を見て、夏休みになったら毎日なんて会えないのか、って寂しくなったりしていたとき。






「芹奈」


「っわ、」



突然声をかけられて、慌てて成績表を隠す。


顔を上げたら長袖の白いシャツを捲って、暑いからかいつもよりネクタイを緩めた秋樹がいた。