「…あと、俺の場合は、だけど」



「うん…?」



「特別な人に話す方が、ずっと怖いし緊張した」



「…うん、ありがとう」




秋樹にとって私が特別だから、なのかどうかはわからないけれど。


それでもやっぱり私、秋樹の口からちゃんと聞きたい。


おめでとうって、頑張ってねって。



いちばん秋樹を応援していたんだから、直接言いたい。


私がいちばん、秋樹のことお祝いしたい。応援したい。






「芹奈!」




秋樹と話したい。

そう思ったとき、後ろから呼ばれた名前に振り返ると、走って探したのか少し息を切らした秋樹がいた。