得意なことがあって、それはただの才能じゃなくてたくさん努力したからだって分かる。
私には想像できないような悩みだって抱えて、その度乗り越えてきたんだろう。
私のことをいつもフォローしてくれて。
誰より大人なきみのことを。
欲しいって、私なんかが言える自信なんてなかった。
「…本当は、すごく悲しかったし悔しかった。
なんで私にだけ言ってくれないのって、家に帰ってから泣いたし昨日は眠れなかった。
でも本人から聞いちゃったら、認めちゃったら、本当に遠くに行っちゃうじゃんー…っ」
嫌なの。
行かないで欲しいの。
ずっとみんなで笑っていたいの。
できるなら、もしできるなら、きみにはいつまでも私の隣にいて欲しいのー…。
「思ってることは、言葉にしないと、意外と伝わらないものだよ」
優しい顔してコウが笑う。
そうだね、コウがこんなこと思ってたなんて、私今まで知らなかった。



