3人と別れた後、秋樹と少しだけ歩いて。

それからたった十数メートル後の曲がり角で、私は曲がって、秋樹は直進。



ふたりきりになれるこのたった十数メートルの間、私はどうしてもゆっくり歩いてしまうから。


みんなで歩いている時には私は前なのに、2人の時は秋樹と横並び。


これを不自然だと思われてたらどうしようとか、考えたこともあったけれど。

よく考えたらふたりでいるのに並んで歩くのは当たり前だよね、と自分に言い聞かせている。






ああ、今日も曲がり角に着いてしまう。


ふたりで歩くこの十数メートルは、ひとりで歩くその距離よりも圧倒的に短い。



秋樹が隣の家に住んでたらいいのに。

そしたら家までふたりで帰れるのに。



なんて、ありえないことを考えてしまうくらいには、もう想いは限界まで積もっている。