「俺の後悔は、高1のクラスの雰囲気を悪くしたこと」
「そんなのコウのせいじゃないじゃん…!」
思わず語気を強めてしまったら、コウは少し笑った。
「確かにそうだけど、有沢だったらもっとうまく収められたんじゃねえかなって、お前に出会ってからずっと思ってた」
「私…?」
「いつも真っ直ぐで、純粋に優しくて、馬鹿みたいに騒いでるくせにしっかり周りのことを見てて…
有沢に、憧れてた」
「…私、そんなすごい人じゃないよ」
クラスでいじめられている人がいたら。
私は助けられるんだろうか。
コウみたいに自分を犠牲にしても、助けてあげられるんだろうか。
コウみたいに、それでもこうやってまっすぐ笑っていられるんだろうか。



