「まあ、一部の人からなんだけど。
クラスに大人しい奴がいて、そいつが虐められそうになってたから庇ったら、俺が無視されるようになって」
「そう、だったの…?」
「まあ、他の人たちは無視したりしなかったし、殴られたりしたわけでもないからいいんだけど…」
それは知らないコウの顔だった。
いつも馬鹿みたいに騒いで、一緒に笑って。
そんなコウに、こんな過去があるなんて思ってもいなかった。
「でもクラスの他のやつも、無視するわけじゃないけど俺とは関わりたくない感じで…まあ、当たり前だよな」
なんて言っていいかわからなくて、ただ頷きながら話を聞くことしかできない。



