ものすごく強引にコウに連れてこられたのは、中庭。
なんとあのコウが自販機でホットミルクティーを買って私にくれた。珍しすぎるから、卒業式は雪かもしれない。
自分の分のコーラも買ったコウは、ベンチに私を座らせて自分も隣に腰を下ろした。
ふわり、とコウの匂いがする。
「…なに、秋樹のこと?」
なんとなく予想はついていたから私から沈黙を破れば、コーラをひとくち飲んでから中庭の桜の木を見つめるコウ。
「うーん、まあ最終的にはその話なんだけど」
「うん?」
「…俺さ、1年生の時クラスの奴から無視されてたんだよね」
「え…?」
聞いたことのない話だったから、うまく飲み込めずに右隣のコウを見上げた。



