「秋樹の写真って、魔法みたい」



思わずそう呟けば、パッと取り上げられたスマホ。


「…」



何か言いたそうに口を開いて、少し迷って、口をつぐんでしまった。


顔をそらした秋樹の耳が赤いのは、夕焼けのせいだろうか。





「あっ、みんなで写真撮ろうよ!」



内カメラにしてスマホを構えると、みんなの笑顔を確認してシャッターを押す。


秋樹が優しく笑ってるから、私もつられて頬が緩んだ。




「じゃあ、また明日!」

「じゃあな」

「ばいばーい」




柊香と高嶺とコウは家が道路の向こう側だから同じ方向に帰るけれど、私と秋樹はそれぞれ3人とは別の方向に帰る。