きっと、ずっと、恋だった。




5人で帰るとき、私とコウはいつも前を歩く。


騒ぎながら歩く私たちを見て、呆れたように、でも楽しそうに笑いながら、柊香と高嶺と秋樹が後ろを歩く。




「見て、夕日綺麗だよ」




眩しく光るオレンジを、紫と青を混ぜたような空が侵食していく。

強いオレンジは雲を染めて、空を照らして、私たちを包み込む。




写真を撮ろうとスマホのカメラを起動してシャッターを切ると、みんなも写真を撮っていた。


気になって秋樹のスマホを覗き込めば、そこには、私たちの誰よりも綺麗な夕焼けの写真。



構図もフィルターも、私たちとは全然違って、プロみたいだ。




同じスマホで、同じ夕焼けを撮ってるのに。


同じ場所で、同じ景色を見ているのに。



秋樹の瞳にはこんなにも、世界は美しく映っているんだろうか。