「どうかした?」 どうかした? …どうかしてる。 どうかしてるよ、もうずっと。 きみの写真を見た、あの瞬間から。 水の中に溺れたみたいに苦しくて。 太陽の光を反射したみたいにきみがキラキラして。 …本当、どうかしてる。 「…昨日、ちょっと眠れなかっただけ」 「珍しいじゃん、授業中はすぐ寝るのに」 「バカにしてるでしょー」 「ははっ」 その笑顔が、もう見られないなんて。 この他愛もない会話が、もうできないなんて。 涙で少し歪んだ視界。 ばれないように涙を止めようと瞬きを繰り返す。