ふわふわと、咲き始めの桜の花が暖かい春の風に揺れる。

やさしい風の中でするドッジボールも、最後なんだなぁ。



私は割と運動が得意だから、他の女の子たちみたいに可愛く逃げるなんてことはできなくて、どんどん敵を外野送りにしていく。



「有沢の腕力まじゴリラ…」
「お前、女じゃねーだろ」


「うるさい、当てるよ!」



からかってきた男子たちをアウトにすれば、上がる味方からの歓声。




…でも、まずいなぁ。

昨日寝てないせいか、なんだか頭がくらくらする。


でもみんなに心配かけたくない…。