ふたりで制服で撮った写真。
秋樹のカメラと、私のスマホで。
「放課後の学校って、好きだなぁ」
並んであたたかい廊下を歩きながら呟けば、そうだね、とうなずく秋樹。
「春の匂いって、いいよね」
「ちょっとわかるかもしれない」
そんな、なんてことない会話が。
秋樹の紡ぐひと言ひと言が、全部大事で、宝物みたいに私の心の奥に落ちてくる。
ふたりきりの廊下。
この景色はきっとずっと私のまぶたの裏から離れなくて、思い出すたびに幸せで、どこか寂しくて、もどかしいこの気持ちも蘇るんだろう。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…