きっと、ずっと、恋だった。






「…そうだ、私ノート取りに職員室に行かないといけないんだった」



ハッと思い出したように柊香は慌ててお弁当箱をしまって、立ち上がる。


「ノート?」

「課題のノート返却されるんだって。
私、数学の教科係だから」




「手伝うよ」と、当たり前のように立ち上がった高嶺に、ありがとう、と返してふたりが教室を出て行った。


ふたりを見送って、食べ終わったお弁当箱を片付けながら、コウがふと呟く。




「卒業までに、みんなで写真いっぱい撮りたいな」

「そうだね、撮ろう」



そういうの、あからさまに思い出作りみたいで、なんだか逆に少し寂しいな、なんて思っていたけど。

この最高に楽しくて幸せな毎日を切り取って残しておきたい気持ちの方が大きい。