「…やっぱり俺、芹奈の写真好きだわ」 そう言ってふわりと柔らかな笑みを見せた秋樹に、なんだか急に泣きそうになった。 じわり、と浮かんだ涙を、何度も瞬きして引っ込めて。 「私も、好き」 「ん?」 「秋樹の写真、すごく好き」 秋樹の写真がすき。 秋樹の目に映る世界がすき。 そして、きみのことが…。 「…ていうか、私の写真なんて全然うまくないじゃん」 「そんなことないって。 芹奈の目にはいつも、世界はそんなにキラキラして映ってるのかなって、ちょっと羨ましい」