「柊香も、モテそう!」
話題を変えたくてそう言うと、みんなまた頷く。
「イケメンで将来有望な彼氏ゲットしたら報告するね」
ふふ、と笑う柊香は、私の10倍は大人っぽくて、美人で、羨ましい。
艶のある黒髪ロングに流した前髪が色っぽい。
ミルクティー色の明るいボブの私とは正反対で、よくどうして友達なのかって聞かれるけれど。
私たち5人が仲良くなったのは、ただ席が近かったからってそれだけで。
自然とよく話すようになって、そしたらかなり気があうことが分かって、5人でいると落ち着くからこうやって一緒にいるようになった。
「そんなに高望みしてると彼氏できねーぞ」
少し顔を歪めた、下手くそな作り笑い。
高嶺のその言葉と笑顔の意味が、きっと同じ気持ちを抱えている私には分かってしまったりして。
ごめん、高嶺。
柊香に話題転換したの、失敗だった。
って、心の中で謝った。



