慌てて立ち上がった柊香につられて、そっとベンチから立つ。 高嶺はまっすぐに柊香の目を見つめて。 「俺、柊香が好きだよ」 私たち3人しかいない、静かな中庭。 息がつまるほど長い時間だった気もするし、瞬きくらい一瞬だった気もする。 「…そんなことで、友達じゃなくなったりしねえよ、バカにすんな」 いつも、大人で、穏やかで、優しくて。 そんな高嶺が、少し口調を荒げた。