「とりあえず私、柊香のこと探してくる!」
「俺も行く…」
「こういうのは女の子同士のほうがいいの!
男子たちはここで待ってて」
コウと柊香。
その組み合わせから、何だか少し嫌な予感がしたから。
3人を残して階段を駆け下りる。
もう授業は始まっている。
そんな中で、見つからずにサボれる場所なんてそんなに多くないはずで。
空き教室を手当たり次第探せば見つかるかな、と思って、授業中の先生たちに見つからないように静かに廊下を歩く。
「…あ、」
と、廊下の窓から見えた中庭のベンチに、見覚えのある黒髪ロング。
急いで中庭に出ると、ベンチに座っていた柊香が驚いたように顔を上げた。
「芹奈…」



