「え、何があったの?」
「分かんねえ…。
普通に喋ってたら、急に泣きそうな顔して「コウのばか」って言って、走ってどっか行っちゃった」
コウの言葉に、顔を見合わせる。
幸いにもまだ次の授業の先生は来ていない。
「…とりあえず、行こう!」
先生に見つかる前にと、バタバタと教室を出て、屋上につながる階段に向かう。
立ち入り禁止の屋上に向かう階段は、人がいないから秘密の話をするには意外と穴場だ。
「柊香が泣くなんて、相当だよ。
何したの、コウ?」
「いや、本当、どこに怒ったのか分かんねーんだって…」
眉を下げて困った顔をするコウは、本当に心当たりがないらしい。
うーん、と4人で頭をひねる。



