それからしばらくして蓮くんと葵くんが帰ってきて、温かいうちに夕飯を食べる。



「あっ!」



「んだよ、うるさいな」



突然声を上げた私に、蓮くんが迷惑そうに答える。


いただきます、と肉じゃがを口に入れようとしてふと気がついた。



あんな事があってすっかり忘れていたけど……



「バター入れてない!!」



せっかく……



せっかくこの前の料理教室で習ってきたのに!



何やってるの、私。



馬鹿な自分に呆れてしまう。



「そんな騒がなくても入れてあるから問題ないよ」



「あ、そうなんだ……って、え?雅さん知ってたの!?」



ひとりで焦って、つっこんで、あたふたしていた私に、冷静につっこんできた雅さん。



それに、私が知らぬ間にバターを入れたという。