『次は、戸隠神社(とがくれじんじゃ)です。お降りの際は、バスが止まるまで、お待ちください。』


最寄りのバス停の車内アナウンスが流れたので、降車ボタンを押す。


ちなみに戸隠神社とは、千年くらい続くとか、続かないとか、とにかく古くからある神社らしい。







バスを降りた私は、神社へ続く参道の横の小路を歩いて行く。軽自動車がギリギリすれ違えるくらいの幅。


コンクリートで固めてはいないが、うちの着付け教室に通う生徒さん方の車がそこそこ通るので、ある程度踏み固められている。だが所詮砂利道。ローファーで歩くにはツラい…。




2、3分歩けば、立派な日本家屋が見えてくる。

家は周りを白い塀で囲まれていて、門はちょっとした瓦屋根がついた、インターホン&ポスト付きの壁に引き戸がついている。


門をくぐると玄関までの石畳の道があって、脇には灯籠が並んでいる。


庭は玄関先と客間の前に別れている。

客間の前は枯山水で、定期的にお手伝いさんが綺麗に手入れしてくれている。玄関先は小さな池に石橋をかけていて、盆栽みたいなのも飾ってある。



自分で言うのもなんだが、ぱっと見でお金持ちだと分かる豪邸だ。






ただいま、と言いながら引き戸の玄関を開け、ローファーを脱ぐ。


いつもなら自室がある2階へ上がるが、出迎えてくれたお手伝いさんに鞄を頼み、離れに続く渡り廊下へ急ぐ。


この家は、母屋と離れ、蔵の3つの建物が敷地内にそびえる。ムダにでかいんだよなー…。