一旦自室に戻ろうと思って、敦政の部屋を出ると、使用人たちが何やらソワソワしているようだった。 「おはようございます、輝夜様」 ふくが後ろから声をかけてきた。 「おはようございます……皆さん、どうかしたの?」 「実は……敦政様の許嫁だった方がいらっしゃるとの事でして…」 「はい?」 随分とぼけた声を出してしまった。 なんで今更会いに来るの…? なんだか嫌な予感しかしない。 モヤモヤした気持ちで部屋に戻り、身支度を済ませた。