「そこにおるのは誰じゃ。」 ビクッ 急に話しかけられてびっくりした… 恐る恐る振り返ると、平安装束を身に纏った青年が私を見つめていた。 (うわ…綺麗な人…) 月の光に照らされて、端正な顔立ちが浮かぶ。 すっきりとした目元に、日本人にしては高い鼻、固く結ばれた薄い唇。 そんな彼に私は思わず見とれてしまった。