神様、私を消さないで

はじめて聞く声は、低く暗かった。


「なんて言ったの……ですか?」


弱気が言葉を敬語にする。

広代は微動だにせずに、さっきよりも強いまなざしで私をとらえた。

そして今度は、はっきりと言ったのだ。



「逃げて」



と。






           【つづく】