神様、私を消さないで

夕方のニュースが流れていて、リポーターがおしゃれなお店でオムライスをほおばっていた。

背後に見える街も、華やかで活気があってキラキラしている。

あのころはすぐ近くにあった世界なのに、今ではもう異世界での出来事みたい。


「いいなぁ……」


古ぼけたテーブルにひじをついてぼんやり眺めた。

そんなお店、この村にはないから。

バタバタと羽ばたくような音に、テレビの映像がぐにゃりとゆがんだ。

窓の外を見ると、ヘリコプターが屋上から浮かんでいる。

無線の電波とかの関係でゆがむのだのだろうか。

荷物をおろし終わったらしく、これから戻ってゆくのだろう。


私も連れて行ってほしい。


ここはたしかにいいところなのかもしれない。

借金取りにからまれることもないし、学校にまた通えていることにも不満はないし。

けれど“しるし”の話や親切すぎる隣人など、なんとなく私の好きな世界とは違う気がするんだよね……。