神様、私を消さないで

「どこに行くの?」


代わりに靴を脱ぎながら尋ねる。


「社長が一緒に飲もう、って。本当にここはいいところだよな」


「お金、どうすんのよ」


なにか言わなくちゃ気が済まない性格の私の言葉に、

「もちろん、おごってくれるってさ。居酒屋にいるから」

と、言うとさっさと出て行ってしまう。

村に1軒だけある居酒屋に、ここのところ毎日のように行っているみたい。

いくら社長さんだからって、そんなにおごってくれるものなのかな。

怪しさを感じていると、戸の向こうから、

「お待たせしました。さぁ、行きましょう!」なんてお父さんの陽気な声。


「今夜もごちそうしますね」


隣のおじさん、いや社長の声が聞こえたので、諦めることにした。


どうやら本当らしい……。


どっと疲れて、狭い居間に座ってテレビをつけた。