神様、私を消さないで

こんな田舎に長くはいないつもりなんだから、あまり感情移入をしないようにしなくちゃ。

そう言い聞かせながらも、さっきからつい大和の顔を盗み見てしまう。

広代の姿は見えないので適当に散策しているのだろう。

それにしても、亜弥子も雅美も広代とはさほど仲が良くないみたいで、話題にも出てこない。

こうもあからさまに避けているのは、なんとなくいじめっぽく思えてしまうんだけどな……。

とはいえ、私も話しかけていないのは事実なわけで。

今度、勇気を出して話しかけてみようかな。

たとえ短い期間しかいられなくても、みんなと仲良くしたいし。

そんなことを考えながら砂利道を進む先に、ひときわ大きな建物が見えた。


「こっちこっち」


本堂の脇にある通路に入って手招きする雅美。

建物のなかは、ひんやりとしていて気持ちがよかった。

先にある上がり框で、靴を脱いでなかに入る。