神様、私を消さないで

でも今どきそんな荷物の運びかた……。


「浜松市ってもっと都会だと思ってた」


思わず出た言葉に、自分でもあせってしまう。

ここに住んでいる人に対して言うセリフではなかった。

私の言葉にふたりは顔を見合わせる。


「まぁ、ここは特別なんだよ」

と、笑った。


「特別?」


「そう」


亜弥子がうなずいて吊り橋を指さした。


「こんな橋で村に入る人を制限するなんておかしいと思うでしょう?」


たしかに違和感がある。

まるで他の土地から来た人を拒絶しているみたい。


「昔のお城みたいだよね」


そう答えた私に、雅美がうなずく。


「神社のせいなんだよ」


「神社?」


歩きだしたふたりについて行きながら、聞き返した。