神様、私を消さないで

「そうだよ。ある程度届く荷物がたまったらヘリコプターが運んできてくれるんだよ」


雅美の答えに私は首をかしげた。


「ヘリコプターが降りられる場所なんてあったっけ?」


広い村だけど、ほとんどが山に囲まれていてそんなに広い場所があった記憶はない。

すると、亜弥子と雅美は目を見合わせたかと思うと、「プッ」と吹き出す。


「え、なに?」


自分がおかしいことを言ったのかと不安になる。

すると、大和が、ボソッと言った。


「学校の裏手の空き地」


「え、裏手?」


「そのとおり、さすが大和」


雅美が言うが、にこりともしないで大和はそっぽを向いている。


「学校の裏側にヘリポートがあるのよ。といっても、ただの原っぱなんだけどね。そこに荷物が届くの。サイレンを合図に注文した覚えのある人は集まる、ってわけ」


亜弥子が私に言ったので記憶をたどる。


たしかに校庭とは反対側に広い空き地があったような……。