神様、私を消さないで

『もう少し辛抱してね』


「わかった」


お母さんの声に、素直にうなずいた。

なんてことないよ。

ゴールがあるなら、今の状況にも耐えられるから。


『結愛には迷惑ばっかりかけているわね』


お母さんの言葉に思わず涙があふれそうになり、ぶんぶんと首を振った。


「大丈夫、迷惑かけられるのは慣れているから」


あえて冗談ぽく言った。


『まあ、この子ったら』


おかしそうに笑うお母さんに、心のなかでホッとした。


……これでいい、と思った。


今は家庭はバラバラになってしまったけれど、いつかまた一緒に暮らせる日は来るのだから。





願えばきっと叶うよね、お母さん?