神様、私を消さないで

「今夜は歓迎会をしてくれるんだってさ。いやあ、永神村はいいところだよな!」


「ふーん」

だからといって昼間からお酒を飲んでいいわけはないだろうに。


「とにかくお金は大事なんだからね。飲みすぎないでよ」


お母さんがいない今、私がしっかりと家計を管理しなくちゃ。


「あー怖い怖い」


冗談で答える酔っ払いに、納得できないまま自分の部屋に戻った。

スマホを取り出してみるが、ない電波を探し疲れたのか間もなく電源が落ちそうなほどしか充電がない。


「ほんと田舎だよね」


今どき電波が届かないなんてありえないし。

みんなどうやってSNSとかやってるんだろう。

しばらくはスマホを片手にウロウロしてみたけれど、どんなにがんばっても表示は“圏外”のまま。

あきらめた私は畳に横になった。