神様、私を消さないで

「今日から学校なの?」


「はい」


「古いけれど昔からある学校なのよ」


「そうみたいですね」


「早く慣れるといいわね」


今どき割かっ烹着を着ているおばさんは、「そうだ。これよかったら食べて」と、玉ねぎを渡してくれた。

まだ土がついていて採れたてなのがわかる。


「え、でも……」


「いいからいいから。うちの畑で採れたのよ」


「あ、ありがとうございます」


ニコニコと笑顔を絶やさないおばさんに気おくれしながらも、両手で受け取ると、ツンとした独特のにおいがした。


「もうお友達はできた?」


「……はい」


笑顔を作ろうとしても難しかった。