神様、私を消さないで

たしかお父さんが『もう1家族選ばれたらしい』って言ってたから。


「ごめん、わからない。たまたまなのかも」


余計なことは言っちゃだめ。

自分に言い聞かせてごまかしておいた。


「そっか」

と、うなずいた雅美だったけれど、ふにゃと表情をゆるめた。


「どっちにしても、あたしたちにとってはうれしいよね。3人しかいなかったクラスメイトが一気に5人だよ!」


そういうものなのか、と思った。

村って聞いてたから他の土地から来た人を受け入れないようなイメージだったけれど、ここはいいところなのかもしれない。


おだやかな空気に、ようやく少し安心している私がいた。