神様、私を消さないで

「すごいね」


私の言葉に亜弥子がゆっくりと首を振った。


「こんな小さな村だから」


ヤバい……。

もっと驚くべきだったのかも。


「村の代表ってことだよね? それってすごい」


重ねて言ってフォローする私にまんざらでもない顔をした亜弥子に、ようやく胸を撫でおろした。

ああ、やっぱりここは田舎なんだ、と思い知る。

同じクラスに村の神社の娘と村長の娘がいるなんて、狭い世界ならではの話だろう。

人口も少ないのは見るからにあきらかだし、きっと村の大人はみんななにかしらの役割を担になっているのかもしれない。


「結愛はどうしてこの村に引っ越してきたの?」


亜弥子の質問に思考を中断した。


「あ、あの……」


とっくに聞かされていると思ったから驚いた。