王太子様の策略に、まんまと嵌められまして~一夜の過ち、一生の縁~



その間にも、刻々と時は過ぎていく。
アマンダに急かされ、夕食へ行くための準備をする。

ぎゅうぎゅうに詰められたコルセットを緩めた瞬間、すうっと息を吸うことができ、一気に身体全体に酸素がいきわたったような感覚になり、とても気持ちがいい。

きつく纏められ、こめかみの部分がキリキリと痛む髪型も、ふわりとした髪型に直される。
そして、厚く塗りたくられた化粧も一旦綺麗にされ、いつもの私に戻った。

しかし、いつもはこういった支度も自分でやっていたからか、他人に色々と施されるのはどうも落ち着かない。

何回か手伝おうとしたものの、アマンダは『王太子様のご命令ですから』と、手伝わせてはくれなかった。


だが、さすがアマンダ。

私同様、アマンダも急に周りの世界がガラリと180度変わったというのに、その順応の早さは、目を見張るものがある。

悩んでなんていられない。
私もアマンダを見習わなくては。