その言葉に、目の前が真っ暗になった。
……そうよ。
一番大事なことを忘れていたわ。
そういう行為をしてしまったということは、さらにその先もあるかもしれないのよね。
もし私が王太子様の子を成してしまったら?
私は男爵位の娘であり、身分が低すぎる。
けれど、生まれる子には王族の血が混じっている。
そんなことになったら、ただ事では済まされない。
家どころか、国一大事の問題になってしまう。
「どうしたらいいの!?ねえアマンダ、私は一体どうすれば……!!」
アマンダに縋りつきながら、必死に助けを乞う。
身体を揺さぶられながらも、アマンダは私を宥めた。
「落ち着いてくださいませ、ビアンカ様!まずは月のものが来ることを願いましょう。そしてそれが来たら、あとは忘れることです。さすがに国の王太子様ですし、そういったことには注意深く用心しているとは思われます」
「そう、なの?だといいのだけれど……」
「ちなみにビアンカ様、王太子様はビアンカ様をご存じでいらしました?」
「いいえ。私の名を呼ぶことはなかったわ。それに、名も聞かなかったから答えることはなかった。記憶は曖昧だけれど、多分言ってなかったと思う」
「ならばあちらも一夜の過ち、その場の情事として大事にはしないでしょう。社交場ではたまにあることです。男と女のそのビアンカ様はショックかもしれませんが……」


