私は早速、城であった出来事についてアマンダに話そうと思った。
ひとりで抱え込むのには大きすぎたこと、そしてもしかしたら実は違うのではないか、という僅かな期待があったからで。
部屋に着き、椅子に腰を下ろして何回か深呼吸をしたあと、事のあらましをぽつぽつと話す。
始めは平然とした顔で聞いていたアマンダだったが、話が進むにつれ眉間に皺が寄っていく。
ついに話し終わる頃には、鬼の形相……とまではいかないが、その表情はとても厳しいものに変わっていた。
「……というわけでね、逃げて来てしまったのだけど、これってなにもない」
「わけがないでしょう!?それは確実にそういう関係になっておりますよ、ビアンカ様!!」
「……そうよね。その状況でなにもないってわけがないわよね。いたしているわよね」
私は大きくため息をついた。
ほんの少しばかり、そんな関係にはなっていないと期待していたんだけれど。
そんなはずはないわよね。
だって、全裸で異性とベッドにいるんだもの。
「本当に記憶がないの。渡されたお酒だってとても甘くて、アルコールを強く感じなかったのよ?」
「いえ、ビアンカ様。甘いからこそアルコール度が強くても気づかずに飲めてしまうのです。ビアンカ様は気づかずにとても強いお酒を飲まれてしまったのですわ。だからそういったことに」
「ええ!?そういうものなの!?やだ、私ったら……」
「お酒は怖いものです。特に異性から差し出されるものは。あわよくば……と考える男の方もいらっしゃいますから」
確かに社交の場では、意中の相手をいかに落とすか、下衆な話が漏れ聞こえてくることもある。
貴族もピンキリで、みなが美形で性格のいい人間揃いではない。
中には近寄るのも憚れるような人もいる。
そして、その罠に引っかかってしまった人間も少なくはないだろう。


