「この想いは…なんなんだろう?…これが皆のいう恋というものなのかしら…本当に?」

そんな気持ちを胸にアリアは握られた手をきゅっと握り返した。


険しい道をどんどん進んで行く。
狼達の遠吠え、吹き荒む枯れた風。
進めば進むほどに、気が滅入り心が折れてしまいそうなくらい、物悲しい気分になった。


苦しみは何も産まない。
それがマイナスの感情であっても、辛さを増やすだけで麻痺してしまい、それ以上の感覚は出てきやしない。


一行は無言のまま、先を急いだ。
行く手に何が待っているのかさえ分からぬままに。