そして、放り投げた瓶が、ぱりんっと割れる。
そこからひたひたと雫が零れていき、やがてそれは波のうねりのように大きな洪水となって赤黒い炎を一気に飲み込んでいった。
けれど、アシューダが現れる前に、ペレスヒルが攻撃を仕掛けてきた。


『ふははははっ!そんな小細工のようなモノで我を倒せるとでも思ったか!』


ペレスヒルは、その手に闇の塊の様なものを集め始めた。
咄嗟に、ワイアットがアリアに叫ぶ。
回避の呪文を唱えようとする中、先手を取ったのはペレスヒルだった。



「アリア!避けろ!アルゥ…」

『そうはさせるか!…マドゥ・メサ…ロイ!!』



ザンッ



炎を飲み込もうとしていた大量の水が、その呪文で断ち切られる。
ジャックとレヴィは、ウーゴ達を守りつつ、少しずつ距離を取った。