「ど、何処から聞こえてくるの?この声は…?」

「しっ!アリア、そこまま動かないで下さい。【彼】は向こうからやってくるはず…」


『…アリア…この世に輝きを放つモノ…我は闇の使者…お前をこの手で葬る為に、我はこの場所へお前をいざなった…』


その声は、体の奥底をひやりとさせるように、一言一言ビブラートが掛かって耳を伝ってくる。
アリアは、身を硬くした。
自分の名が、こんな所にまで知れ渡っているとは思わなかったからだ。
恐怖がじわじわと足元から這い上がってくるようだった。
まるで、つま先から凍っていくような…そんな時間の隙間…。


『アリアよ…来るがいい…』



ひゅんっ
ひゅんっ
ひゅんっ
ひゅんっ




おぞましい声と共に、四方八方に火柱が立ち皆を囲った。
飛び込んできた軽い音とは裏腹に、その勢いは凄まじい。