ホォーッ…




何処かで、子三つ時を知らせるように、渇いた鳥の鳴き声が聞こえてくる。



アリアは、耳を澄まし息を静かに吐いた。

鼓動はほんの少しだけ逸っている。



アリア達はあれから床に臥せったままの国王に別れを告げ、城の外に出た。

誰もが、分かっていた。
これがマシューとの今生の別れになることを。
それでも、必ずもう一度彼に逢う為に、此処へ戻って来ようとそれぞれ心の中で誓った。



城を出てから時は暫く経つが、視界は一向に開けない。