『ご当主、さま……?』
今話しているのは、始祖当主?
どういうことだ? 真紅の頭の中で、彼女の発する言葉が意味をなさない。
彼女は哀しそうに顔を歪めた。
『わたしは転生の檻に居るわ。総て、わたしのまま……』
『――――――っ』
何度も生まれ変わってきた。
始祖の転生と呼ばれるほどだった真紅たちだが、過去世の自分と今の自分は別人だという認識があった。
過去の記憶があっても、あるだけで、そのときの感情や決断をした意思は持っていなかったから。
真紅は、自分の命は『桜木真紅』のものであり、今の名は『影小路真紅』ただ一人のものだと認識している。
だが、彼女の話しぶりは、真紅たち始祖の転生とはずれがある。
『ずっと……ご当主様のまま、転生を繰り返して……?』



