好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】




部屋に残された澪のもとへ、首を傾げながら古人がやってきた。


「澪、真紅嬢はどうされたんだ?」


「……じいちゃん、ちょっと待ってて」
 

祖父の質問には答えず、澪は反対側の廊下へ繋がる襖(ふすま)を開けた。


「……聞いちゃったか」
 

黎が死亡していた。もとい、ダメージを喰らって膝をついて頭を抱えていた。


真紅の声を聞いたらしい黎がここに来て、襖を開ける寸前で真紅の言葉をきいてしまったようだ。


「おい黎。お嬢さんってお前の彼女じゃないのか?」


「そうだよ! なんで、あんなこと言ってんだ……?」
 

くわっと牙を剥かれた。黎にはまだ吸血鬼の名残で牙は残っている。


「追いかけないのか?」


「行ってくる」
 

澪に言われて、今度は黎が小埜家を飛び出した。


「随分賑やかな家になったなあ」
 

古人は感心気だった。