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小路一派に属する寺の動物廟に、真紅は三毛猫を葬ってもらった。
仔猫の白猫と黒猫は、その日のうちに白桜と黒藤のもとへもらわれていった。
三人で暮らす庵が、急にがらんとしてしまった。
――真紅は夢を見た。
誰かが真紅を向かえに来る夢だった。
黎? ママ? 真紅に向かって手を差し出した影。
真紅はその影が誰かを見ようとして――ふと、足元に柔らかいものがすり寄って来た。
驚いて下を見ると、三毛猫が真紅を見上げていた。
お母さん猫だ! すぐにそうわかって、真紅は声をあげようとした。
でも、名前をつけていなかったことを思いだす。
仔猫たちには名付けたけど……。
真紅は膝を折って、三毛猫を撫でた。
赤ちゃん猫みたいに柔らかい毛。
癒してくれる感じに、思わず真紅の顔もほころぶ。
口を動かした。でも何故か、音にはならなかった。
喉がおかしくなってしまったかと思ったけど、三毛猫は音にならなかった真紅の言葉を受け止めたかのように――ぴょんと真紅の肩に飛び乗って来た。
重さを感じなかった。



