「白桜って猫、好きだったのね」 「あ、百合姫は知らないか?」 張り切って黒藤を引っ張る白桜を見てのぽつりとした言葉に、黒藤が反応した。 「あんたは知ってるってわけね……。でも、なら飼ってもいいのに」 「それがなー無理なんだよなー」 白桜に引きずられているから、黒藤はやけに間延びしている。 「なんで?」 「すぐわかるよ」 意味ありげな黒藤の返事だったが、庵に足を踏み入れた途端、百合緋もそれに気づいた。