好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】



陵とは、古くは『みさざき』とも言われ、天皇や皇后、三后の陵墓(りょうぼ)、墓のことをさす。
 

そして『せいりょう』とは、京都御所で一時期、帝が執務をした場所、『清涼殿(せいりょうでん)』と同じ音なのだ。


言霊(ことだま)に重きが置かれる陰陽師にとって、同じ音や文字があることは重要となる。


「地神がいたんだ……」
 

真紅は百葉箱のような社を思い出す。


「まあ、旧い血筋が多い学園と言っても、今はそれは取り立てるようなことじゃない。

むしろ俺たちのように、本質的な意味で稼業を継いでいる方が珍しい。

陰陽師の系統は、学内には御門(うち)の三人と、黒と真紅しかいないしな」
 

白桜の家、月御門別邸にいる三人も斎陵学園の生徒で、影小路から斎陵学園にいるのは、黒藤と真紅だけだ。